2社間と3社間のファクタリング、メリット・デメリット
前回は、2社間と3社間で、ファクタリングの手数料に違いがある理由がわかりました。
あなたの会社で、ファクタリング会社を利用する場合のメリット・デメリットについて、それぞれで整理してみます。
2社間ファクタリングを利用するメリット、デメリット

2社間ファクタリングを利用するメリット
①取引先に通知されない
ファクタリング契約について、取引先に知られずにすみます。別にやましいことをしているわけではありませんが、「売掛金が早く欲しいなんて、経営がうまく行ってないのではないか?」などと勘繰られ、今後の取り引きに関する信用を損なうことがありません。
②資金がすぐに入金される
2社間ファクタリングでは、ファクタリング契約が成立後、すぐにファクタリング会社が入金してくれます。早ければ申請から契約・入金まで「即日」の場合も多いです。
③関係者が少ない
①の結果、当たり前ですが、取引先と相談、協議、調整などが必要なく、打ち合わせや出張なども不要になり、やりとりしないといけないのはファクタリング会社だけなので、手間も時間も節約できます。
2社間ファクタリングを利用するデメリット
①手数料が高い
前回、書きましたようにファクタリング会社にとって、3社間ファクタリングよりも2社間ファクタリングの方が、売掛金が回収できないリスクが高くなるので、その分、手数料が高くなってしまいます。3社間ファクタリングでは、1~10%程度の手数料が、2社間ファクタリングでは10~30%となってしまうこともあります。
②回収した売掛金をファクタリング会社に送金する手間がある
3社間ファクタリングでは、売掛金は、取引先からファクタリング会社に直接支払われますが、2社間では、一旦、あなたの会社に入金された売掛金を、ファクタリング会社に送金する手間がかかります。
③審査が厳しめになる
3社間ファクタリングでは主に取引先が審査対象ですが、2社間ファクタリングでは、取引先だけでなく、事業主に対する審査もあります。そのため、経営状態が良くなかったり、他に多くの融資を利用している事業主の場合は、審査に通らない可能性もあります。
2社間ファクタリングのメリット、デメリットを裏返したものが、3社間ファクタリングのメリット、デメリットとなります。
3社間ファクタリングを利用するメリット、デメリット
3社間ファクタリングを利用するメリット
①手数料が安い
3社間ファクタリングでは、売掛金が取引先からファクタリング会社へと直接、送金されるので、回収できないリスクが低くなり、その分、手数料が安くなっています。ファクタリングで一時的に会社の運転資金を得ても、ファクタリング手数料が高いと、会社の経営を圧迫することになりますし、下手したら、会社が行った業務がタダ働きになるか、持ち出しにさえなりかねません。手数料が安いことは大きな魅力となります。
②売掛金を一旦、中継してファクタリング会社に送金する手間がない
3社間ファクタリングでは、売掛金は、取引先からファクタリング会社に直接支払われますので、一旦、あなたの会社に入金された売掛金を、ファクタリング会社に送金する手間がかかりません。
③審査がゆるめになる
3社間ファクタリングでは主に取引先が審査対象ですので、事業主の会社に対する審査はぬるめになるか、ほとんどない場合もあります。
3社間ファクタリングを利用するデメリット
①取引先に通知される
ファクタリング契約について、取引先に通知し、承認をもらう必要があります。そのため、「売掛金が早く欲しいなんて、経営がうまく行ってないのではないか?」などと勘繰られ、今後の取り引きに影響する可能性はあります。
②資金の入金が遅い
3社間ファクタリングでは、取引先への通知や承認、それに伴う説明や打ち合わせなどが必要になることもあり、ファクタリングを申請してから、契約が成立し、さらにファクタリング会社が資金を入金するまでに時間がかかります。早くても数日はかかることが多いです。
③関係者が多い
あなたの会社とファクタリング会社の間だけでなく、取引先と相談、協議、調整して、承認をもらう必要があります。そのための打ち合わせや出張が発生する場合もあるでしょう。
2社間、3社間のファクタリングそれぞれのメリット、デメリットがあり、どちらが良いとは一概には言えません。あなたの会社の状況に応じて、どちらかを選んでいくのがよいでしょう。
次回は、悪質な偽装ファクタリング契約について、みてみます。