会社の資金繰りのピンチヒッター「ファクタリング」
「ファクタリング」とは?
会社の資金繰りは、経営の状態が良くても悪くても、頭を悩ませる永遠のテーマですね。
最近、急速に注目を浴びているのが、「ファクタリング」。
聞き慣れない言葉ですが、ファクタリングとは何でしょうか?
ファクタリングとは、簡単に言えば次のようなものです。
- 資金調達手段の一つ
- 借金ではない
- 融資でもない
- 利息・金利はない(手数料はある)
- お金を借りる「債務者」になるのではなく、既にある売掛金の「債権者」としての権利を売ることで資金を得る。
なかなかすぐにはピンと来ない話ですね。
ファクタリングは、借金や融資とは違い、既にどこかの会社との間で発生している「売掛金(商品やサービスの対価として、まだ受け取ってないお金)」が、重要な役割を果たしています。
一般的なビジネスでのお金の流れ
会社と会社の間のビジネスでは、商品やサービスを売っても、すぐにその代金をもらえなくて、月末までの販売代金をまとめて、さらにその次の月の末日に振り込まれることが多いですよね。
これが売掛金と呼ばれるものですね。
あなたの会社は、お客様に必ずお金を払ってもらえると信じて待ってる状態です。

この待ってる時間、あなたの会社は、売掛金を払ってもらう権利を持っている「債権者」というわけです。
いつも銀行や信用金庫などからお金を借りてるあなたの会社が、実はお金を貸してる側でもあるわけですね。
このように、「会社は、お金を貸してる側でもある」ことを利用したのが、ファクタリングなのです。
ファクタリングでのお金の流れ(2社間ファクタリング)
ファクタリングの仕組みでは、「ファクタリング会社」が関わって、お金の流れが複雑になります。
ここでは、ファクタリングの様々な種類の中でも、「2社間ファクタリング」を見ていきます。

まずは、上のアニメーションだと落ち着かないので、下の静止画をじっくり見てみましょう。

ファクタリングでは、次の5段階の流れになっています。
①商品やサービスを販売(あなたの会社→取引先)
いつも通り商品やサービスを販売します。ここで発生している未払いの代金(売掛金)が、あなたの会社が持っている「債権」となります。
②ファクタリング契約(あなたの会社←→ファクタリング会社)
あなたの会社とファクタリング会社との間で、ファクタリング契約を結びます。あなたの会社が持っている売掛金の「債権」をファクタリング会社に売る代わりに、あなたの会社が、ファクタリング会社から、すぐにお金を振り込んでもらえる契約です。
③売掛債権の支払い(ファクタリング会社→あなたの会社)
②の契約に従って、ファクタリング会社から、あなたの会社にお金が振り込まれます。これは売掛金という債権の「代金」という位置づけです。ただし、売掛金からファクタリング会社が得る手数料が引かれているので、売掛金そのものの金額より少し少ない金額です。
④代金(売掛金)の支払い(取引先→あなたの会社)
商品やサービスの販売から、いつも通り1ヶ月以上の時間が経って、取引先から、あなたの会社に代金(売掛金)が支払われます。ただし、いつもと違って、このお金を使ってはいけません。この代金(売掛金)をもらう権利を、ファクタリング会社に既に売っているからです。
⑤回収した売掛金の支払い(あなたの会社→ファクタリング会社)
④の代金(売掛金)を、あなたの会社からファクタリング会社に支払います。これでファクタリングに関するお金の流れは完了です。
複雑な仕組みですが、これによって、あなたの会社は商品やサービスの販売代金を、1ヶ月以上待たずに、すぐに手に入れることができます。
ただし、ファクタリング会社に手数料を引かれるので、本来もらえる額より少なくなります。
注)待っている「1ヶ月以上の時間」というのは、ビジネスや取引の種類などで変わってきます。建設業界などでは6ヶ月以上になることもあるでしょうし、飲食業界などではもっと短いこともあるでしょう。いずれにしても、代金が即金で支払われず、売掛金が発生する限り、大なり小なり「支払われるまで待っている時間」が発生します。
「時間を買う」のが、ファクタリングの本質
ファクタリング手数料の支払いを言い換えると、従来、代金が支払われるまで「1ヶ月以上の「待ち時間を、ファクタリング会社にお金(手数料)を払って買った」ことを意味します。
従来どおり代金が支払われるまで待てば、このお金(手数料)を払わなくて済むわけですから、この「待ってる時間をなくすために、お金を払う価値があるか?」ということが、ファクタリングを利用する大きな判断基準となります。
これについては、後日、詳しくツッコんでいきたいと思いますが、明日は、今日紹介した2社間ファクタリングとは少し仕組みが違う3社間ファクタリングを紹介します。
